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小池仁志”俺の農道” 第8話

小池仁志”俺の農道” 第8話_f0099266_7154947.jpg「Work for the Pacific Ocean」
 最近秋風がだいぶ冷たく感じるようになり、ようやくBlytheの半袖シーズンが終わろうとしています。砂漠地帯特有の温度差が身に沁み、クローゼットの奥にしまっていたジャケットに手を伸ばすと、地獄のように暑く忙しかったあの夏がもうすでに過去となったのだと実感しました。それと同時に極寒のワシントン州から少しずつ脱皮しながらこの地まで2日かけてのバス移動を経て、期待と不安を胸に未知の世界へ足を踏み入れた一年前から現在までのドタバタアタフタの自分しか観れない新喜劇が頭の中で上映され、ソファーの上で一人笑いしたり、数あるミスを思い出し、なぜか再びヘコんだりしてました。最近、時を感じるスピードメーターがかなりのハイスピードに変化し、過ぎていく過去になんだか焦りを感じますが、頭の中にある自分のアルバムは確実に分厚く充実したものになったと思います。
 さて、HAYDAYFARMSで働かせてもらってもうすぐで1年になりますが、以前にも説明したscale & dispatch を 継続してやってます。マジでこれほどまで農業をやらなかった研修生は歴代No1だと自信を持って言えるレベルまで達し、もう逆にこのままscale & dispatch魂を帰国まで燃やし続けたいと思ってます。
小池仁志”俺の農道” 第8話_f0099266_7163216.jpg これまでHAYDAYFARMSの発送人として約11ヶ月ロサンゼルス、ロングビーチの港と日々格闘してきたのですが、実は今までその対戦相手の顔を見たこと無いまま過ごしてきました。数多くあるターミナルの配置を何も知らないまま輸出コンテナ、輸入コンテナ、空のコンテナの手配をしていて、ドライバー達からは、「お前港に行ったこと無いくせに!!」・・・、「この発送とピックアップのコンビネーションは無いだろ!!一番遠いじゃねぇか!!」・・・、「その港行ったことないから場所説明してくれ!!」・・・などなど、いろんなことを言われてきましたが、決まって俺の答えは
「ごめん、俺行ったことないから知らないんだ…」でした。
 これまで自分がscale & dispatchのポジションを抜けて港へ見学に行く暇なんか微塵も無く、ドライバー達からの情報を頼りに頭の中でぼんやりと作った地図を頼りになんとか切り抜けてきました。ですが、最近は輸出と輸入の量が少し減りだし、それが北朝鮮による核実験がビジネスに影響を与えているかどうかわかりませんが、例年より確実に何かが変わってるみたいです。ドライバーとコンテナの数のバランスが釣り合わず調節するのに苦労してますが逆にチャンス到来でした。週末にできた隙を利用して太平洋No1といわれる港へ初上陸する計画を立て、金曜の仕事を夜の7:30に終えソッコ-で就寝、wake up & goで夜中の2:30に出発するドライバーのトラックに同乗成功!
小池仁志”俺の農道” 第8話_f0099266_717113.jpg 日の出に反射したスモッグで港の空は覆われてましたが、見たことも無いまま相手にしてきた港を見た瞬間はマジで痛烈でした。どこからどこまでが港なのか分からない位広く、それぞれの港に停まっている船はデカイ上に、コンテナ達が溢れんばかりに積まれていました。ドライバーからはHAYDAYFARMSが扱っているすべての港の場所とそれぞれの港の事情や特色を説明してもらいましたが、迷路のような道とフリーウェイを行ったり来たりしてるうちにいつの間にか、耳がちくわ、目は点になってました。デカすぎです。
 この仕事のおかげで夜中にドライバーのトラブルコールが毎日のようにかかってきて眠れない夜もあった、プレッシャーでハゲになるかと思った、たくさん失敗してかなり怒られた、マジで何もわからなかった…。でも、海の上に浮かぶこんなデッカイ船の上に自分が発送してきたコンテナ達が毎日積まれているんだと自分の目で実感した時、太平洋を相手にこれまで血と汗とちょっぴり涙を流しながら11ヶ月がんばってきた自分の仕事が心から誇りに思えました。
小池仁志”俺の農道” 第8話_f0099266_7175343.jpg 自分は本当にラッキーな人間です。責任重大、プレッシャー満点のこの仕事を任せてくれるHAYDAYFARMSと出会えたから。10000エーカーの広大な畑で汗を流すと思いきや、今では太平洋とガッツリ組み合うことになり、小さな池は太平洋という大きな海に何度も何度もぶっ潰されましたが、おかげで小さな池は前より少し大きく広がったような気がします。そして、そのうち太平洋クラスの広くて深い人間になれるように、これからもいろんなことにトライすることを胸に誓い、残りのアメリカ生活とその後の人生をもっと太いものにして行こうと思います。「It isn’t a joke that I’ll try to beat monster of Pacific!! 」(俺が太平洋の怪物をたたこうとするのは、ジョークじゃないよ・・・。)

 今回は、11月5日にメールもらっていながら、色々とありアップが遅れてしまいましたが、この内容から小池君の成長ぶりが良くわかります。帰ってくる頃には、”大池”君!?になってたりして・・・・・。 引き続き研修がんばってください(^^)!。
by akkies0105 | 2006-11-15 07:06 | 研修生便り